一覧たび談

ディールで世の中が変えられるか

プロイセン (後のドイツ帝国)のビスマルクは、岩倉使節団に「強国のみが自国の利益を守り、国際的な地位を確立できる」と言った。
これは公式記録が無いため、あくまで通説らしいが、明治政府が「富国強兵」に走り出した要因である。
米国トランプ大統領の言動は1860年代のビスマルクそのものだ。
しかし昨今のトランプ大統領やイーロン・マスクのバズりぶりは半端でない。
狭い日本で「どうしたらバズらせることができるか?」なんて、血道を上げていることが馬鹿らしくなるくらいだ。
世界の流行語大賞になりそうな「ディール」とは何か。
元々ビジネスにおける契約の意味だが、ご存じの通りトランプ大統領が政治で盛んに使い出した。
丁々発止のだまし合いが根っから好きなのだろう。
自らを「偉大なるディールメーカー」と呼ぶが、カジノ経営をしていたトランプはカードを配る「ディーラー」の気分かもしれない。
配る相手は(teal(ティール) 、まさに「カモ」の尻尾だ。
その生け贄の一番手に名乗りを上げたのはジャパン。
歴史を辿れば1933年に、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌からの脱却を目指すために行った経済政策に「ニュー・ディール政策」がある。
いち早く世界大恐慌から脱した日本の高橋是清が考案した「時局匡救事業」を下敷きにしたという。
残念ながらこの政策では米国の恐慌は収まらず、復興したのは第二次世界大戦の戦争特需によるものだった。
世界はその轍を再度踏むのが心配だ。
せめてセリ科のハーブの一種の「ディール」(ディル)なら爽やかで平和なんだが・・・

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