一覧たび談

日没する処のニッポン。つつがありや

「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや」と中国の隋王に書を送った。
現在は「日没する処のニッポン。つつがありや」と各国へ書を送る事態だ。
Japan as No.1と言われた1980年代後半の高度経済成長期では、東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えると言われるほど土地価格が高騰し、1989年10月には米国経済の象徴とも言われたニューヨークのロックフェラー・センターを三菱地所が買収するなど、世界に冠たる経済大国だった。
日本の高い経済成長の基盤になったのは、日本人の学習への意欲と読書習慣だと言われる。
私が小学生の頃は読書運動が盛んであったことを覚えている。
現在も学校や図書館司書の努力で、小中学生の読書量は落ちていないどころか上がっている。
ところが大学生になると、一転、読書量が落ち、大人になると3人に2人が本を読まない「読書離れ」が進んでいる。
ちょっと古いが文部科学省が実施した第21回21世紀出生児横断調査によれば、全国の若者の半数以上が1カ月間に紙、電子書籍を含めて1冊の本や雑誌、マンガを読んでいないことが判明している。
タイパやコスパを重要視し、時間価値のみで日常生活を送る。
確かに時間は人間の代々の有限資源だが、常に何かに追われる生活の中での情報取得は、手軽なスマホやSNSになるだろう。
専門家ではないので因果関係はよく分からないが、現在の日本の経済停滞は経営層や政治家の誤った対応ばかりでなく、国民一人ひとりの暮らしの変節が大きいように感じる。
こうしたことを書いていても、多くに人にはスルーされ届いていない。これは私自身の文筆能力や発信能力の欠如によるもので、この警鐘はごく一部の方にしか見られないのだ。
読んでいただいている方には感謝感激、ありがとうございます。

Pocket

コメント

QRコード