一覧たび談

日本人は移動できる民になれるか?

小松左京の「日本沈没」では、火山列島日本がのたうち回り地球上から姿を消すものだ。
ラストでは日本人が海外へ難民として漂流する。
日本人は沈む日本丸と心中せず、世界へ逃げ出すことを何人が選択するだろうか。
日本人の美学だと、強制退去以外に「ふるさと」を捨てることはできないだろう。

地方創生で各自治体がいろいろな考え方で活性化させようと藻掻いている。
でも国内人口は減少の一途。止まらない。地方で若者から高齢者まで誰でも良いから移住してくれと獲得競争。
しかし人口増加計画が叶うなんて妄想です。

地域コミュニティが江戸時代(まあ物好きもいるか)で受け入れはできず、再生不可能なところもある。
道が不便とか場所が悪い、人口減少や高齢化は行政が悪いと文句だけ。
超高齢化した原因は自分たちにあるにも係わらず・・・。
こうしたコミュニティをどうするか?
とかく平等にと言われている自治体職員の大きな悩みでしょう。

政府は「小さな拠点づくり」を奨める。住み替えを示唆する。
東京の高齢者は出ていけという。
しかし、そこで生まれ育ち歳を重ねた人にとっては、大切な「ふるさと」だ。
行政効率や費用対効果だけで、終の棲家を奪って良いのだろうか。

日本人は稲作が普及するまで定住でなく移動していた。
世界でもっとも優れた食糧である「米」は、人を土地に縛りつけた。
今、その米食が減っており、米は牛豚が食うものに成り下がりつつある。

都市から米を作りたくて農村に移住する人も増加しているが・・・
米を作らなくなれば再び移動する民に日本人はなるだろうか。
そのとき瑞穂の国と詠われた農村はどうなっているだろう。

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