底辺の国民は非正規雇用で労働力を安く搾取され、貧富の格差は拡大する一方である。
市場経済や外在化したシステムの前では、単なる交換可能な労働力やGDPの拡大に寄与するだけの消費者、記号化された国民になっている。
いま自分の目前の現場で工事が行われているが、昼食休憩もそこそこに13時前から午後の仕事が始まった。もしかすると従業員は時間を賃金に変えているかもしれないが、どうみても従業員の時間は搾取しているように感じる。
低賃金による不安定な生活環境は都市と地方でさらに格差がある。
地方創生などと聞き心地の良い言葉で語られても、最低賃金の差をみれば若者は給与や賃金の良い都市へ向かってしまう。
■地方の稼いだ金が地方から流出している
都道府県の県都であっても、市街地でランダムに空き家や空き店舗が発生している。
その一方でロードサイドは大規模な商業施設や全国展開する店舗が乱立し、どこに行ってもデジャブな街づくり(まちづくりではない)が進み、その周辺は宅地化されるなど、コンパクトシティとは真逆の姿である。
まちづくりは各自治体で、方針や計画が異なるはずなのに、なぜ全国画一的な街ができていくのか?これは国土交通省が街づくりの計画認定の権限を持ち、補助金を出している。そしてその計画策定から大手コンサルが自治体に入り込む仕組みができているからだ。
だがこれも一部の大企業などに地域の金が流失する構図なのだ。
地域の稼いだ金が地域から流出すれば、当然地域は疲弊する。しかし勘違いしている首長は誘致を画策し、地元の大切な店舗を見捨てた。
結果はどうか。
医療や金融、地域交通機関、ガソリンスタンドなど住民の日常生活に不可欠なサービス施設が撤退し、地価が低下する悲惨な状況にある。
そして魅力が無くなった地域からは若者が流出している。
政府は東京圏への人口集中を是正しようとしているように見えるが、実態は皆さんが承知の通り人やモノ、お金などのリソースは一方的に集中している。
川下から川上へ大きな流れを作るには、数百年続いている日本人の考え方を変えるしかない。
これは言うほどに容易ではない。
アメコミのヒーローで不遇な家庭育ちはスパイダーマンくらいで、金持ちでないとヒーローにもなれない。
米国大統領もどれほどの能力を有していても金持ちでないとなれない。
生まれ育った地勢・家庭環境で既に格差が存在するのだ。
せめて産まれたとき「条件の平等」が与えられないだろうか。