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土着する文化4

めでたい年明けだが疫病神が居座り続け、そこに悪鬼や貧乏神まで同居している感がある。
大変な幕開けである。全国民が疫病に冒されるまで対処方法はないのだろうか?
さてめでたい代名詞に「七福神」があるが、この七福神は全て、外来神であることを知っているだろうか?
弁財天・・・インドのヒンドゥー神サラスヴァテイー神、音楽・弁才・財福・知恵を司る
大黒天・・・インドのヒンドゥー神シブァ(マハーカーラ神) 食物・財福を司る
毘沙門天・インドのヒンドゥー神クベーラ神、福徳増進の神から仏教に取り入れられ戦いの神に
布袋・・・・・中国の実在した禅僧だが、弥勒菩薩の化身とも
福禄寿・・・中国の道教の神様、南極星の化身の南極老人、長寿と福禄をもたらす。
寿老人・・・中国の道教の神様、南極老人で福禄寿と同一神、日本では白鬚明神ともされる。
恵比須・・・日本の神様らしいが、海からきた外来神
ほぼ出所が分かる神様ばかりだが、恵比寿の由来は様々である。外来神であるはっきりとした証拠を皆さんは目にしているはずだ。あの「宝船」に乗る七福神の姿を。
なおこの七福神に「お多福」(実在の日本女性)を加え八福神としている京都「清水寺」がある。
宝船の七福神
そう言えば昨日は「十日戎」だった。
恵比寿の漢字は戎と書くが、他にも夷、胡、蛭子、蝦夷、恵比寿、恵美須、恵美寿と言う漢字が当てられている。
海から様々な「宝」が海岸に運ばれてきた。外つ国から流れ漂着したモノに古代の人たちが喜ぶ宝があったのだろう。それを「えびす」称してありがたがった。
故に基本的には「えびす」様は漂着神である。
海で亡くなった方を「えびす」と呼ぶこともあるが、漂着した鯨を漁業神「えびす」として奉っている。瀬戸内海にある観音寺市の伊吹島には、五カ所に「蛭様(えびすさま)」が奉られており、股島、円上島の伊吹島三島で七えびすが設置されている。毎年、「えびす(よべっさん)」を船に乗せて島を回る明神祭が開催されている。
香川県伊吹島の「蛭様」
この福をもたらすとされる「えびす様」だが、日本へ伝来する中で、合体習合をしている。「えびす」を祀る全国の神社では、蛭子命説(三歳になっても足で立つことができず流された)と事代主神説(大国主の息子で国譲りの際、漁に出ていて殺害された)が圧倒的に多い。なお事代主は大国主と宗像三女神の多岐都比売命(タギツヒメノミコト)との子どもとされ、やはり海との関連性が深い。
七福神の絵などで片手に釣竿、片手に鯛を持つ「えびす様」が描かれるのは、この事代主神の伝承に基づくものだという。
十日戎で福男選びをする西宮神社は蛭子命を祀る最古の神社として全国のえびす様の総本宮となっているが、事代主神を祀る神社のほうが古く、一時期の流行で「えびす」に変えた神社が明治時代に「事代主」に戻したところもある。ちなみに事代主神の総本宮は「美保神社」である。
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このように日本独自と思っている文化はかなりの部分が外国、特に中国からからやってきた。その中国も中東やインドなどの文化の影響を受けている。
例えば「宗像三女神」の伝説だって、ギリシャ神話と通底するところがある。
ギリシャ神話にオルフェウスとエウリディケがある。死んだエウリディケを取り戻そうとあの世に降りていく。冥王プルートは許す代わりに「トンネルの出口までは決して振り向くな」と言われたがオルフェウスは嬉しくて振り向いてしまいエウリディケ奪還に失敗してしまう。と言う話で、イザナギ・イザナミの神話とそっくりではないか。
古代から世界の文化はどこかで繋がっているのだ。
現在はインターネットで情報が加速をつけて世界に拡散する。
ならば良い話をたくさん世界に発信してはどうだろう。先祖が自らの手で築き上げてきた有形・無形の文化は表層的なサブカルチャーとは深さが違う。
日本の良い文化(Culture)が世界に拡散し、日本に興味を持ってもらえば日本の主張だって伝わるはずだ。

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