永久に水道の蛇口をひねれば、きれいな水がいつでも、いつまでも出るものと思っていませんか。
頭では山に降った雨が浸透して濾過されて麓で湧き、それを水道用水として使用していることは理解できているように、飲み水の元になる水はだいたいの人が「どこから」生まれるか知っています。
例えば東京や埼玉は群馬県みなかみ村から始まる利根川や奥秩父から始まる荒川水系、横浜の水瓶は山梨県道志村ですが、この源流域にも人は暮らしていて山を守っているのです。山を守るということは、ただ眺めていることでは無く「手入れ」をすること。
山が荒れていると雨の時の保水力は落ち、表面を一気に流れるため上流域だけでなく、下流の都市部で災害が発生します。もちろん水が山の深い部分に浸透しませんから、湧水量も減るわけです。
じゃあ山を手入れすれば良い!ということになりますね。
それは誰がやるのでしょう?
税金を払っているから国県で?
もちろん大きな山は税金を遣い、間伐をしたりダムを造っています。
しかしそれだけでは無理があります。
日本の国土は3,778万haで、そのうち約7割2,512万haが森林です。
国有林はともかく源流域の方々がそこに住み、手入れをする里山はたくさんあります。
ところが「消滅可能性都市」に挙げられたまちやむらは、そうした山村なのです。
つまり手入れをしようにも過疎化・高齢化し人口も減っていれば、山を手入れするどころか、入ることさえできないのです。
美味しくて豊かな水は、美味しい農産物や海に出て美味しい魚介類に変身します。現在は豊富にある水も永久に出続けるとは限りません。
皆さんがきれいだと眺める自然のほとんどは、人が介入した結果の自然です。
この大切な水資源、自然は日本国民の財産です。
ちょっとだけでも水のこと考えてください。
源流域を見て、助けてください。