「連帯」と聞くと年齢は上の方々は労働組合を思い出すだろう。あるいはEUなどの政治システムとかパルチザンの抵抗運動でも連帯と言う言葉が使用された。
一般的に連帯とは、人々が共通の関心や目的に共感し、一つに結びついた状況を指す。
「共創」は多様な主体と対話を重ね、共感を価値に「共」に「創り」上げていくことである。
似た言葉に「協創」があるが、協力して創ると言う意味であり、ここでは共感を主に置きたい。
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連帯の農都共創は、地域を形成する様々な個人や団体が、地域住民だけでなく都市住民と直接間接に結びつく中で、相互に影響を与えつつ持続的社会を形成していくことを主眼としている。
コロナ禍の中で、各地で豪雨による激甚災害が相次ぎ、農業も甚大な被害を受けた。国内だけでなく地球温暖化の影響か全世界中で大災害が発生している。しかし幸か不幸か新型コロナによるロックダウンで人の動きが抑えられ、二酸化炭素排出量が鈍化するという皮肉な結果が出た。新型コロナと気候変動を地球規模で考えれば、経済成長一本槍の世界に循環型社会へ持続可能な社会へ戻りなさいと言う地球のメッセージである。
三澤勝衛(1885−1937)は、昭和4年の世界大恐慌後に発生した農村恐慌のころ「構造的個性を持った販売・流通方式は、『単品一元方式』でなく、『多品目少量生産方式』と結びついた柔軟な市場対応、すなわち多元的流通システム」が必要だと生産方式からマーケティングに言及している。さらに「大産地における大量生産・販売システムは早晩、崩壊する。それら産地を目指すのではなく、地域の風土に根ざして地産地消を進めるべき」、そして生産手法についても「土も病み、人も病む」と、化学肥料や農薬多投はするべきではないと有機農業への移行を示唆している。
地球規模の危機に加え、産業全体の衰退や人口の減少など日本を取り巻く課題を、負の遺産として次世代へ残さないためにどのように思考し行動するかが大切である。