かつて全国には「土着神」がいた。
そこに「鬼」と言う新たな外来神がどこからともなく顕れ、各地を侵食していった。
全国に鬼が拡散したのは仏教が大きく関与している。
日本ではじめて鬼の記述があったのは720年ごろに書かれた日本書紀だ。
ただしこの鬼は異国の人だった。ゆえに大きいとか、赤いと言った表現をしているのだろう。実際に初めてロシア人の船乗りに会えば、きっと鬼だと思っただろう。
こうした鬼の姿は、元々見えなかった日本古来の森羅万象を司った土着神と融合しやすかったかもしれないが、人に疫病や災害など悪さをするものと統合されていった。
日本は8.1万社の神社があるが、そのうち八幡神社が7817社あり、外来神で代表的な神だ。八幡に限らず土着神を懐に抱え、いつしかすり替わっていった。さらに国内で生まれた田村麻呂神など新たな神に席巻された。
縁起が良いとされる「七福神」だって、ほとんどが外来神なのだ。
明治以後では「招魂社」や「護国神社」「靖国神社」などが創建されていくが、これらは国家神道であり、の本古来の神とは別物である。
地方の土着神が外来神に取り込まれていく姿は、大手スーパーやドラッグストア、人気の飲食店など大手資本が全国へ拡散していった状況と似ている。
現在の神は大都市資本の経済神かもしれない。
土着神は賽銭を地域に還元したが、この新たな外来神は地域の経済を翻弄し壊すだけで地域に還元しない。
地域に収奪するものが無くなれば、さっさと余所へ行ってしまう。地域にとっては宝や農産物を収奪する「鬼」なのである。
その鬼を侵略者であった坂の上田村麻呂のように奉り上げる地方はいかがなものか。
地域は地域の土着神を取り戻そう。助けだそう。
土着ビジネスを再度、蘇らせよう!
坂の上田村麻呂