一覧地域再生

地域再生のための観光とはなにか3~◇旅はエンターティメント

◇旅はエンターティメント

日本生産性本部の余暇創研は、『レジャー白書2018』で「2017年の余暇のトピックスとして、20 位まで上昇した「テレビゲーム(家庭での)」「ソーシャルゲームなどのオンラインゲーム」「将棋」などゲームの参加率が上昇した。「将棋」参加人口の性・年代別構成比をみると60 代以上が約4 割と比較的多いが、10~50 代の各層も一定の割合を占めた」との調査結果を出した。

将棋はもちろん瞬く間に七段に昇段した藤井聡太効果である。

インターネットの普及によりオンラインゲームは、なんと10~70代までまんべんなくゲームにはまっている結果となった。このインドア志向は旅の強敵となるだろう。

旅は映画や演劇と同じ情報のエンターティメントだ。スポーツもどんどんエンターティメント化している。つまり観光のライバルは、映画やスポーツ、さらにはスマホやゲームであり、他の観光地ではない。

それゆえに地域観光は、

  • 映画に負けないくらいのストーリー性を持たなければいけない。
  • 五感に訴える本物のビジュアル、匂い、触覚の料理で勝負する。
  • スポーツ選手に劣らないパフォーマンスを見せる。
  • 地域ファンや応援団を作る。
  • AKB個握会のように、コミュニケーションを武器にする。
  • エンターティメント+学びを融合する。

などの要素を地域の風土に織り交ぜた付加価値を創造し、観光客が感動する。共感してもらうことが大切だ。

難しく考えることは無い。ほんのちょっとした工夫や素材の加工、そして地域住民の「もてなし感」で、小さな感動や共感を与えるだけ。それがボディブローとなり数年後には「行きたい、参加したい、住みたい」となっていくはずだ。

◇訪問客は何を受け取り、何を支払う

あそこに「行ってみたい」との素になるのは何だろうか。

まずは地域が認知されなければ始まらない。行きたいとの欲求は起きるはずはないのは明白だ。「◯◯って、どこにあるの?」から「◯◯に行きたい!」に顧客意識を変えない限り、観光客は来ないしモノも買ってくれない。簡単な論理で行きたいと思わなければ、売れなし旅行事業の継続は不可能だ。

メディアへの露出も重要だが、消耗度が激しいので1年も経てば忘れられる。最も重要なものは口コミだ。家族が友人が「あそこは良いよ」と聞くことが意思決定で重要な要素となる。

インターネットのHPやSNSは誘客の重要な要素だが、全国の観光関係サイトは情報発信がPDFを貼り付けただけとか、重たい写真のアニメーション、地図データなどの位置情報が手に入らないほか見たい知りたい情報に到達しづらい。観光客に不親切な稚拙で見づらいHPでは致命的で、とても客を誘導できる環境にない。

人は自分の中に「一定の基準」を持っている。だからその基準を上回るコトに出会うと感動するし、そのものに共感する。シンプルに共感(五感を揺らす)してもらえるように作り込めば良い。

観光客誘致は多様で多彩な嗜好や趣味、考え方が違う人々の「気持ちを変え、訪問行動に変えられるか」が肝となる。自然や暮らしの風景、歴史文化、極上の食、感動的なサービスやホスピタリティ、人との出会い、最近では社会貢献したいなど顧客価値は多様だ。

大切なことは、顧客自身の驚き・感動・共感を原点に「何を実現したいか」を読み解き、これらを仕組み化することだ。とは言っても顧客価値は様々であり、供給者側の勝手な思い込みや押し付けは嫌われる。素晴らしいツアーやプログラムを作った。絶対に美味しい料理を作った。でも客が集まらないという悩みを聞くが、それらが本当に顧客の琴線に触れるものかを検証していない。

観光客は何らかのテーマや目的をもち旅を計画する。ゆえに基本的に次の点に留意すること。

①ターゲット

・年齢性別のほか、家族・生活・行動パターン、趣味、仕事などリサーチする

②サービス内容

・価格競争にならないサービスで、おまけ、接客対応、潜在意識を刺激する

③既存の武器は何か、何を切り札にするのか

・思い、達成感、願望、優越感、社会貢献、自分づくり

④何を差別化して商品造成するか

・いかに売るかではなく、何を売るか!

⑤情報の製品化をする

・形が見えないと手に取れない。見えないものを工夫で理解してもらう

・行政HPは商品販売に向いていない

⑥国内で戦える商品か、地域限定で勝負するか

⑦品質保証はだれがする

・自己満足型になっていないか、責任の明確化、商品説明は分かりやすいか

⑧人の温もり・愛情など感性価値を提供する

まもなく映画公開される「オズランド-笑顔の魔法教えます」など良い教材になるかもしれない。

Pocket

QRコード