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地域主導型テーマ観光をしよう!

世界経済はステップがめちゃくちゃなトランプさんのリードで踊る。

日本の国会は災害や貧困に苦しむ庶民をよそに自らの利権だけで踊っている。世は平安時代の貴族なみで、貴族以外は「人でなし」つまり見えない存在(妖怪)だ。

夏祭りのシーズンは、華やかな御輿や花火に「踊り」がつきものだ。踊りには古式ゆかしい厳粛な舞から昔からの伝承による○○踊り(結構エッチなものもあり)とか、ニューバージョンの新作もある。

もともと祭りは、天照大神が天の岩戸に隠れたとき、困った人たちが岩戸の前で歌い踊り、酒を飲んで楽しく宴会をすることで、天照大神を引っ張り出すことに成功したものが最初だろう。踊りを踊ったアメノウズメノミコトは初代ストリッパーとか初代巫女とも言われるが、それはともかくとして、人は天地開闢(かいびゃく)以来、森羅万象に神という名を付け、事あるごとに願い、恐れ敬うことをしてきた。

■祭り=イベントではない

柳田國男は「日本の祭りで最も重要な一つの変わり目は、見物と称する群の発生、即ち祭の参加者の中に、信仰を共にせざる人々、言わばただ審美的立場から、この行事を観望する者が現れたこと」とするが、自然発生的に人の中に生まれきた祭りは、時の政権が人心をまとめ上げる手段として用いたことでイベント化していく。

この傾向は現在も同様で、行政が主催するととたんにイベントに早変わりしてしまう。主体が行政に変われば、当然、住民は客体として、参加することが原則である祭りから見る祭りに変わるわけだ。ここで祭りからイベントとなり、ならば観光客を呼んで地域活性化しようと行政は考えてしまう。

最初から行政主導の観光イベントであればそれも良いが、住民主体であったはずの祭りが担い手が減ったとか、金が出せなくなったとして行政に転嫁し、結果、観光イベント化していくことに疑問を持つのは私だけだろうか。

このところ操作された景気に、国民が一喜一憂して踊らされている「踊り場」感があるが、この踊り場で最大のニュースになったは、徳島の阿波踊りの「総踊り」でないだろうか?

現在の阿波踊りは最初からイベントだった。これは「テーマ型観光」のはしりと言っていいだろう。阿波踊りのような踊り手を大量動員大型イベントができない地域は「花火大会」と称するイベントを実施。単に観光客増加だけが狙いという理由からか、不況となった平成21年(2009)は全国地域で約400カ所が中止となった。祭でもなく祭礼でもない「お祭りさわぎ」は、資金の切れ目で簡単に止めることが可能であることの裏返しである。総踊りを赤字だから止める(有名連との調整ができなかったことが要因らしい)というのは、阿波踊りが由緒正しい神事ではなくイベントであったことを露呈したものだ。

周遊・物見遊山型観光は「地域での消費誘発」が薄く、これを改善するためアクティビティに参加する体験型観光(飯田市がリードした)が勃興した。最近は「滞在型観光もテーマ型観光」と読み替えが行なわれ、大手ツアー代理店が地域を消費する商品となっている。グリーンツーリズムも「農泊」と読み替えられ旅行商品に組み込まれつつあり、政府や企業の思惑に左右され地元が食い物にされる、地方はこの流れにインバウンドと同じように流されるのではなく警戒をして欲しい。

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