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世界遺産登録に思う

日本が世界文化遺産に推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本県)について、ICOMOS(イコモス)より「登録が適当」とユネスコに勧告した。ICOMOSの勧告どおりユネスコが正式決定すれば日本で18番目の世界文化遺産となります。

長崎県は過去、教会を主体に申請してきたが登録延期されてきました。今回はイコモスとアドバイザー契約を結んだ結果と言うのはどこかに引っ掛かるものではあるが・・・。

とは言うものの世界遺産のみならず日本遺産も「ストーリー」を描ききれないと選定されないとは確かです。

地元で見ているものと、外部から見るものでは視点が違う。視点が違えば資源が同じでも切り口が変わる。だから物語の作り込みも変わってくるのです。

これは遺産登録に限らず、観光や暮らし全てに当てはまりまる。

従来の考え方や見方を一度リセットして我が地域の資源を見て欲しいし、選定されたら観光客が増加するので、様々な認定を取りに行くという安易な考え方はやめて欲しいものです。

過去、日本で認定された世界遺産の状況を見れば、そのほとんどが一過性のブームで今や閑古鳥が鳴いている遺産も多い。

「遺産」とは、先人が遺した有形・無形のものや業績です。そして、その遺産を未来へ「より良いカタチ」で引き継ぐことが遺産の価値創造です。

ゆえに大切なことは選定後のフォローです。

遺産そのものを保護するだけでなく、周辺環境の保全や人材育成は絶対に欠かせません。

もちろんノスタルジーや誇りだけでは遺産を維持できません。眺めている分には金はいらないけど、維持するには金が掛かります。日本国内では何でもボランティア(間違った概念)に頼りますが、必ず維持できなくなる時期が来ます。

だから「観光」という手法で、資源の認知度アップと維持費の捻出をするのです。そこには住民の暮らしを脅かさない仕組みも必要となります。

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