昨日から飯田市美術博物館の開館20周年記念でお茶をテーマに「信州喫茶事始」の企画展が始まった。8月末までお茶をめぐる様々な文化をたどるもので、飯田下伊那地方のお茶文化の一端を垣間見ることができる。
信州人はお茶好きといわれ、静岡の茶農家に足を向けて寝られないと言われたことがある。
お茶と漬け物は信州の代名詞だ。前回、縁側の話を書いたが、縁側で家人がお茶をしているところに通りかかると、誰彼かまわず、お茶を飲んで行けと誘われたものだ。
縁側に腰掛けると自家製の「柴茶と漬け物」を勧められる。茶椀に1・2杯飲めば十分なのに、空けば注ぎ、減れば注ぎといつまでも茶碗の中のお茶が途切れない。まさに茶責めである。
昨今の家の造りは、そういった交流空間である濡れ縁が無いために、あまり見かけなくなり、同時に畦に植えられていた「茶の木」も消えてしまった。
企画展によると、この地域のお茶文化は、禅宗の寺を発祥としているようだ。
まずは「飯田市美術博物館」に出かけてみてはどうだろう。