一覧たび談

地域を育み持続させるRMO(その2)

3.RMO(Regional Management Organization)が地域を救う
 中心市街地活性化法で、中核組織となるTMO(タウン・マネジメント・オーガニゼーション)であるが、期待できる成果を出しているのは2割程度である。
数少ない成功事例に取り上げられるところには優れたプロデューサーやマネージャー、行政マンが必ず存在する。つまり組織が機能するかしないかは個人の資質に掛かっている訳で、法律や制度はあっても地域に人材がいなければ事業成果が出せないという危うい事業といえる。
 さまざまな振興策を打ち出しているアベノミクスの効果も地方の衰退に対して、なかなか成果が見えてこない。これまでは大手メーカーが生み出す仕事で、地方の下請け製造業の雇用を発生させてきた。しかしグローバル化の進展から国内産業の空洞化が進み、地方へ経済効果が波及する構図を崩壊させてしまったからである。
地域の活性化には地域個性を活かした内発的産業を興すことが重要なファクターであり、さらに地域の暮らしや環境保全、そして人材の確保育成に至るあらゆる面において、波及効果を促し、次世代に繋ぐための地域自立の仕組みづくりが求められる。
 全国各地を廻っていて足りないと思われる人材は、地域全体を俯瞰して事業をプロデュースするもの、果敢にチャレンジするもの、そしてそれらを後方支援するスポンサーの存在である。
 地域活性化のほとんどが個人の熱意や行動に由来しており、そうした人材は数少ない。疲弊しつつある地方ではそうした人材の一部が欠けているために動かないことも事実だ。ゆえにプロデューサー、チャレンジャー、スポンサーを一同に介する中間支援組織(リージョナル・マネジメント・オーガニゼーション)の創設が望まれる。

4.むらづくり型RMO(ルーラル・マネジメント組織)の可能性
日本の耕地面積の40%は生産力が低く競争力の無い中山間地域にある。また食の欧米化で消費量が増加した肉や乳製品を生産する畜産の拠点も同様である。ところが国民の命を支える食料を生産する農家の約半数が65歳以上の高齢者であり、少子化の進展で担い手が不足している。このため集落内に無住化した家屋や遊休農地・放置山林が拡大、有害鳥獣被害の増加など、地域の暮らしの根幹を揺るがす事態となっている。さらに世帯数の減少と高齢化は、集落運営や祭事、結いと言われる地域の共同作業に不都合が生じるなど集落維持システムに支障が出はじめ、地域の伝統文化や特色ある活動が姿を消しつつある。
 ローカル・コミュニティを維持し、無くしてはならない日本の農村文化の保全を図るための「無形のインフラストラクチャー」の保護形成を行うことが大切である。
従来はこの種の役割を地方自治体が担ってきたが、地方自治体の行財政合理化は極端に進み、官の支援に限界がみえている現在、官に代わって民、すなわち地域住民自らの課題として受け止める必要がでてきたため「新しい公共」が国の施策として打ち出され、事業の受け皿としてNPO法人などが手を挙げた。
 しかしローカル・コミュニティは基本的に外部から来るNPOを信用していない。今も内に籠もりがちな農村集落の意識改革を促すには、地域に密着している行政職員がベストである。そこで人柄が知られている地元人材と行政職員、金融職員や外部有識者を集結させた組織として、日本の国土や文化を保全し農村を持続させる新しい公益事業を担う新たな中間支援組織、むらづくり型RMO(ルーラル・マネジメント組織)を創設する意義が出てくる。
中でも過去に動かなかった集落・地区においては基礎の「地ならし的な仕事」に取り組むRMOが求められる。「地ならし的な仕事」とは、ローカル・コミュニティの構成員を対象に、「地域の問題とは何か」というテーマで集まる場、話し合う場をつくり、ベンチマーク的な各地の事例を紹介するなかで参加者が問題意識を共有できるようにすること、そして、その機運の盛り上がりとともに目的・目標を共有できるようないくつかのグループをつくり、つくられたそれぞれのグループが自らの設定した目的・目標にしたがって、情報の収集、先進地の視察、資金・活動プランの作成などを行えるようにすることを指す。
また集落や地区の将来ビジョン構想等では、企画段階から実施に至る過程に住民協働のプロセスを導入し、地域経営の透明性と総合戦略の基盤づくりを図る必要があり、ローカル・コミュニティを中心に、人と人の「つながり」により生み出される力を結集するテーマ・コミュニティ機能を発揮できると考える。
 さらにNPO型組織では馴染みづらい農山漁村コミュニティ・ビジネスを発展させようとする場合もRMOは、技術支援やマーケット調査、外部人材や開発資金の仲介、情報の受発信などで効用を発揮する。

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