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(再掲)小水力発電でエネルギー自立

飯田市では既にバイオマスエネルギーとして木質ペレットストーブの普及をしていますし、松本市が導入研究を始めた間伐材などを工場で水素ガスに変換し、電気へと変換するなど未利用資源のリサイクルが進んでいます。生ゴミなどを同様に水素ガスにして電気へ変換する研究も10年以上前から行われていて、私も東芝関連の実験プラントを視察したことがあります。映画「バックツー・ザ・フューチャー」に登場した車も夢ではありませんが、まだ開発途中であり小型化できるかどうかが課題です。

そこで、もっと皆さんに身近な環境でエネルギー対策を考えてみましょう。

南信州地域にある資源で森林は今後、さらに注目されるものになるでしょう。総務省では昨年末に原口ビジョンの「緑の分権改革」推進本部が設置され、その推進経費として来年度予算も計上されました。この事業では地域固有の自然環境や自然エネルギー、食料、歴史文化遺産などを活用した「分散自立型・地産地消型社会」へと転換するモデル事業を行う予定です。

1月9日に千葉大学が中心となり太陽光や風力など自然エネルギーの自給率の試算によると、長野県は都道府県自給率で全国4位、市町村別では大鹿村が全国5位とのことで、山村だからこそ都市とは違う独自な施策で環境に配慮した持続型社会ができると思います。

エネルギーの地産地消が確立できれば、ずいぶん地域の自立度が上がります。森林資源を有する南信州には豊富な水という資源があります。この水をエネルギーとして活用しているのが水力発電所ですが、大規模なコンクリートダムは環境に課題がありますし多くの問題が発生します。

そこで環境モデル都市に選定された飯田市でも既に検討を始めている「小水力発電」が浮上します。

小水力発電は用水路で一定の水量と流速さえあれば、小さな設備で発電できる優れものです。最近の製品(スルガ電機:神奈川県横浜市)では、幅40cm、φ298mmという極めて小さな発電機(希望小売価格60万円)が登場しています。

写真はモーターボートのプロペラを付けた例で約1kw程度の電力が得られます。これを既設の水車に取り付けることで、最大3kwの発電が可能となるのです。一般家庭の電力消費は1?2kw、よほど使用する家でも3kwでしょうから、この発電機1基で賄えるのです。

仕様
定格出力 3kw
定格電圧 AC100,200V
定格電流 8.7A
相  数 3相
極  数 8極
回転数 1500rpm
動作環境 -10?40℃

24時間流れる小河川や用水路に設置すれば、太陽光より確実に電力が得られ、構造はシンプルです。風力発電などは大規模設備で設置費が莫大な上に景観を損ない、しかもメンテナンスは南信州以外のメーカーしかできません。南信州にはモーターを作る既存技術があり、その技術を応用して独自の小水力発電モーターが開発できれば、ビジネスとしても良いのではないでしょうか。

幸いに2010年度の国事業にも小水力発電を普及させる事業が予算化されていますので、他社の特許を侵害せず独自の小河川発電機設備を開発するために、公設民営(DBO)方式で集落集会所単位にモデル設置をしながら、さらに改良を加え南信州地域に普及させる方法で行えたらと考えます。

 また各集会所には発電機とセットで蓄電機を備え、EV車(電気自動車)の充電に使用すれば、各集落会所が電気スタンドとなりEV車の普及が現実的なものとなりますし、スマートエネルギーネットワークも同時に完成すると思います。

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