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地域再生の切り札14-世界に1つだけのコミュニティを目指して

農産物が高いとメディアに煽られる大都市圏に居住する人たちが大騒ぎしている。
だが国民の命を守る生産現場は、総人口の3%ほどで、かつ60歳以上の農家が守っている。
高齢の親が暑い日も寒い日も野良で、ほぼボランティアで働き農産物を生産しているのを「ありがとね」の一言もなく高いと言う。
こんな状況でないと農業にフォーカスされないのは残念だが、農業農村が守っているのは食料だけはない。
水にエネルギー、空気の生産に貢献している。
山が無ければ人間が生きる全てのものが生産されないことを理解願いたい。
つまり国土保全であり国土防衛の最前線で高齢者が頑張っているのだ。
東京圏域に暮らす方々は、食料を始め様々なものを地方に依存しているが、そこには全くの無関心で便利な生活を謳歌している。
現在の東京圏の人口膨張は未来の日本の資源を先食いしているようだ。
日本の大切な食や様々な資源、文化は、人口が減り続ける地方にある。
残念ながら大都市の拡大と田舎の縮小いう二極化が顕著になってきた。
政令指定都市さえ人口減少の波が来る。
少子化によって大企業ですら思うように若者を雇用できないところが出てきた。
当たり前だ。地方から大都市圏に輩出する若者がいなくなっているからだ。
田舎では「ポツンと1軒家」が増えており、テレビのネタになっているが、他人事と笑っている場合では無くなるほど身近に迫ってきている。
だが自治体の首長は、今も、大企業や大型商業施設の誘致、ロードサイドには大型の道の駅の設置など従来型の開発モデルから抜け出せない。
自地域の既存商店街を蔑ろにして、大手のショッピングモールを誘致しても、消費者人口が減れば大手はさっさと撤退する。
その荒らされた後には、崩壊し機能を減退させた地元商店街しか残らない。
ここで買い物難民が発生するが後の祭りだ。
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東京への「時間的近さ」を競うような新幹線や高速道路などは人口減少を伸長させるだけで、地域振興策とはならない。
地域再生の切り札11―シン・地方創生は地方主導にしよう – 地域再生【地域再生診療所】で地域はダウンサイジングをしようと提案した。
人口減少が止まらない社会基盤を人口が半分になっても、地域経営できるように根本から作り直さなければならない。
人的交流を促して定住人口の増加を狙うが、過度の子育て支援や定住支援で、かつ金太郎アメな施策では誘蛾灯で、灯り(財源)が切れれば終わる。
こうした施策は付け焼き刃で、地域課題の根本解決にはならない。
ダウンサイジングと言うと、行政が思い浮かべるのがコンパクトシティとかスマートシティなどの横文字施策だが、これは容易なことではない。
過疎化しようが「ここは自分が生まれたふるさと」であり、そこから住民を引き剥がす冷淡な選択を首長は決断しなければならないからだ。
人口激減と高齢化する自治体は、従来の常識を脱却し、社会の仕組みや産業構造を見直さないといけない。
空き家だらけになったエリアにも大切な歴史文化がある。
日本で、世界で「なくてはならない自治体」を目指し、再度自地域の宝物を見つけ磨き上げるほうが、地域の目標は達成しやすい。
「ここに暮らしていて幸せ」と住民が実感できるようになれば、外からの目も向くし、住みたいと思う人が出てくるはずだ。
そこで大切なのが、現在の市区町村よりも旧村、あるいはもっと小規模のコミュニティを単位として、住民参加で目標設定し、活動する新たな社会構造を積み重ねていくことが大切だ。
あるまちで小学校の下校時、高齢者たちが道に出てこどもたちの見守りをしていた。こんな身近な行動からで良い。
自治会の文書配付は、自治体は自治会を下請けにせずDX化を進めれば解決する。
最小のコミュニティで「自分たちでやれることをやる」ところから始めてはいかがだろう。
地域の存続が日本の国防になる可能性を確信している。

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