数年前、地元小学校の1年生の担任が「今年の児童は食べっぷりが違う。食べ物を残さない」と、熊
谷さんから報告を受けました。それは「あぐりの田んぼ」の活動を開始して3年目の春のこと。
保育園では園長を中心に保育士、栄養士が一体となって徹底した体験による食育を熊谷さんと一緒に施
してきた成果だと言えます。
それは「美味しいとこ取り」のぶつ切り体験でなく年間を通じた取組で、保護者も巻き込み園内活動だ
けでなく家庭にまで波及させる積み重ねでした。
この内容はいつか詳しく書きますが、今日はその具体的成果をお知らせしたいと思います。
「あぐりの田んぼ」を運営している農家の熊谷さんのメールを転載します。
先日、久し振りに長野県飯田合同庁舎食堂をやっている葵さんと出会い、竜丘小学校の子ども達へ、お
褒めの話を聞かせてくれた。
それは、昨年3年生(保育園で米作りをした最初の子ども達)が食事した時の話でした。
○普通は「ご飯がおいしかった!」というのですが、「お米がおいしかった!」と後の感想文に殆どの子どもが書いてあったそうです。
葵では、地元食材の面から「よこね田んぼ」の米を使った。
保育園の時、米に取り組んだ事からそんな言葉が出たのでは。
○食の細い子どもは、食の太い子どもに分けてあげて、何も
残さず綺麗に食べてくれた。
○先生から給食の残食率1%と聞いて、感心していました。
竜丘小学校では昨年から、残食のデータを取っています。
担当の先生の話では、データを取る前の年に比べ残さなくなっているそうです。
残食率については、飯田市へ酪農体験に来ている大阪吹田市の○○小学校
が0.7752と吹田市の平均4.11689はるかに下回っている。
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「よこね田んぼ」は飯田市千代(山村振興地域)にある小さな棚田。日本の棚田百選に制定されてい
る。ここではオーナー制という会員制度は採用せず、「交流田」と銘打った棚田を地元保育園からグリーン・ツーリズムで農業体験に訪れる子どもたち、棚田保
全を応援してくれる一般の方々が体験できるようにしている。
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「あぐりの田んぼ」は飯田市竜丘地区で食農教育を継続する農家を中心とした有志グループで地区内
にある二つの保育園に7年、米や野菜づくり、自然観察などの支援をしている。