ヨーロッパの古い街並みは写真を見ただけで行きたいと思ったことがある人もいるはずだ。
SDGs (持続可能な開発目標)の持続可能な観光は、「観光産業が生物多様性など自然環境や先住民族文化などを旅行商品として「食い物」にし破壊するのではなく、保護し産業として育成する担い手となる」ことである。
宮本常一は「旅と観光」の中で「道に沿うた村々から脱農化が進んでいく。ちょうど鍬で土をはぎ取るような形で。道がつくことによって新しい農業風景なども展開してきてよいと思うのだが、そういうきざしはまだほとんど見えていない。真の発展というのは単に工業化するだけでなく、同時に自然や風物を美しく豊かにしてゆくことだと思うが、ただ道だけが美しく伸びてゆき、自然は荒廃しはじめている。多くの人々には工業化していくことが発展として受け取られているが、そのことによる自然の荒廃すらが、発展に見えるのではなかろうか」と警鐘を鳴らしていた。
先日ユネスコの世界文化遺産に登録となった伝統的な祭りも含め、日本の文化は多彩で豊富にある。それを国内外の旅行者にフィットし、手軽で身近な存在となるような仕込みが大切だ。
大事なことは地元資本や住民の参画である。そうでないと外部に収奪され消耗するだけだ。
もちろん作ったモノやコトが一発ヒットとなるとは限らない。トライアンドエラーで、より良い観光コンテンツに昇華させるしかない。