コロナの第6波でまたまた生活や移動が制限されており、またまたアマビエにお出まし願わないといけないか。
そう言えばアイヌ文様『モレウ(渦巻紋)』は魔除けとかパワーだと言われており、昨年ちょっと評判になった「スガノマスク」には、このモレウが刺繍されていた。
アイヌ文様には様々な意味があり、それを組み合わせて木綿の衣服などに刺繍を施す。スガノマスクも3種の文様が組み合わされていたようだが、私は専門家でないので意味は不明だ。
私はフランス語だと勘違いしていたのが「ルイベ」。「ル」は「溶ける」、「イペ(イベ)」が「食べ物」だそうで、これがアイヌ語だったのかと驚いたものだ。アイヌの方々はエゾシカなどを獲って、それを冬場に凍らせて保存食にしていたのだろう。鹿のルイベはメチャ美味しいが、寄生虫の関係で今は食することができない。
本州にはたくさんのアイヌ語由来の山や川、地名が残っている。
昨年7月に『北海道・北東北の縄文遺跡群』が世界文化遺産に登録された。
このエリアの縄文時代は大交流時代で、北海道と北東北だけでなく、極東ロシアや中国東北部とも様々なモノや文化の交流があった。
函館の中空土偶・青森つがる市の遮光器土偶・長野県茅野市の縄文のビーナスや仮面の女神と国宝の土偶が北海道から本州中部まで土偶の文化は繋がっている。土器も茅野市の水煙渦巻文深鉢に対して新潟県十日町市の火焔型土器とやはり国宝となっている土器があるが、どちらにもある渦巻き模様は、アイヌ文様と似ており、まじないに使用したものだろう。
昨年NHKブラタモリで信州諏訪の黒曜石遺跡が取り上げられた。一般立ち入り禁止の縄文鉱山遺跡だが私も見学させてもらう機会があった。
諏訪で産出される黒曜石は、高い透明度の上にヤジリへの加工力が群を抜いていた。その黒曜石ヤジリが北東北でも発掘されているが、どうやら実用的に狩をするのではなく、ネックレスなど身を飾るものや神棚?に飾っていたようだ。諏訪モノの黒曜石を持っているだけで、当時は上級人と見られたようで、縄文人の憧れのブランド品だった。今も精密工業の地である諏訪は、縄文時代から手先が器用だったわけで、まさに土着の技術力といえるだろう。
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土着した様々なモノや食は、縄文時代から伝播してきたものだ。
いにしえから人々は、フロンティアを目指して大移動しているからこそ、他民族と出会い知恵や文化を吸収しあって生きてきた。
人間は移動する生物である。
コロナ禍で移動制限することは、人間の成長を止めることに等しい。
しかし同時にウイルスも人間が移動することが勢力拡大のチャンスであり、絶対に逃したりしない。ウイルスも地球に生きるものなのだ。
こういうときこそ分析とコンテンツづくり、情報発信について早急に実施することだ。
観光客は何らかのテーマや目的を持って旅を計画する。ゆえに基本的に次の点に留意することが地方の観光で大切となる。
①ターゲット:年齢性別のほか、家族・生活・行動パターン、趣味、仕事などリサーチする
②サービス内容:価格競争にならないサービスで、おまけ、接客対応、潜在意識を刺激する
③既存の武器は何か、何を切り札にするのか:・思い、達成感、願望、優越感、社会貢献、自分づくり
④何を差別化して商品造成するか:いかに売るかではなく、何を売るか。
⑤情報の製品化をする:形が見えないと手に取れない。見えないものを工夫で理解してもらう
⑥国内で戦える商品か、地域限定で勝負するか
⑦品質保証はだれがするか:自己満足型ではないか、責任の明確化、商品説明は分かりやすいか
⑧人の温もり・愛情など感性価値を提供する
訪問者の人生の一コマに感動を提供することが観光である。そして共感を得ることが受入側の最大のメリットなのだ。