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ウィズコロナの地域創生-3割自治からの脱却

税収が大きく自前の財源で自治が可能な東京都以外は、国から地方交付税が配付される。地方は地方税収と不足を補う地方交付税を財源として、地域を運営している。
その地方交付税が7割を占めている行政を一般的に3割自治と揶揄されるわけで、そのためにどうしても国の言いなりになっている。
地方交付税の制度は地域の自立を奪うものだ。
行政財政の健全化は経済を活性化することだが、なんと頑張って地域産業を振興して地方税収が上がると地方交付税が減るのだ。
いろいろ考えて頑張って自治体全体の歳入が増えれば交付税が減らされる。
租税総額の増減で、交付税が算定されるから無理して動くのはアホらしいとなるわけだ。
言うことを聞かせたい国は、この制度で県から市町村までコントロールするから地方は言うことを聞かざるを得ない。
この制度自体がおかしいわけで、この制度を変えなければ、地域の自立など100年かけても絶対に無理なのだ。
唯々諾々と従ってきた地方の惨状は言うまでも無いが、この状況でコロナ禍が襲った。
一人の感染者も出ていない山村でも自粛の大嵐で、小さな民宿が被害を被っている。小さな農産物直売所も誰も来なくなって閉店の有様なのだ。
それを救済するため財政調整基金を取り崩し支援した結果、まちやむらの貯金が枯渇したところもある。
緊急事態であり基金を取り崩して住民を支援するのは当然だが、コロナの第2波第3波がくれば財政破綻する自治体が出るかも知れない。
千葉神奈川埼玉の知事達が東京都と同じ事はできないと嘆いていたが、その東京都でさえ通常財源が枯渇してしまった。
インバウンドで観光暴風が吹き荒れていた京都だが、貯金はゼロだと言う。これについては別の課題があるので今回は略すが、いずれにしても自主財源がどれだけ積み増しているかが相当大事だと分かる。
独自財源の確保をするためにも地域は考え続けなければならない。電源立地市町村(特に原発)はこの限りではないためどこ吹く風といったところだが・・・。
そこで全国で飛びついたのが「ふるさと納税」であり、競争が過熱していった。

地域経済は元々の高齢化や人口減少により疲弊していた。
そこにコロナ禍が襲い、短期経済に大きな影響を及ぼし、さらには長期経済の立て直しにも影を落としている。
しかしコロナ禍は地方にチャンスをもたらした。
江戸時代から続いた「三密」の東京を嫌い、地方脱出を考える人たちが出てきた。
企業のビジネスモデルも否応なく変化しなければならなくなった。
テレワークが加速的に伸び、働き方も多様になる。もう東京一極集中の「密」から地方分散の時代に入ったのだ。
パンデミックを起こしているコロナ禍は、グローバルゼーション=アメリカン・スタンダードの定式を粉砕してしまった。
企業も生き残りのため分社化や売却の離合集散を模索している。中国の春秋時代の合従連衡(がっしょうれんこう)のようであり、もしかしたら令和の縦横家が暗躍しているのかもしれない。
ではどのようなシナリオを地方は書けば良いだろうか。
もちろんそれはSDGsを根っこに置いた持続する未来づくりであり、笑顔の住民が暮らす社会づくりだ。
そこで産業をどうするか?
一つは既存の地元企業の競争力を付けること。そのためには広域圏域での「合従」(連携)による新たな事業創出が必要だ。その恋着材となれるのは、地域のビックデータを保有する地域金融だ。
大銀行の風下で大手が捨てたゴミを拾い歩くのが地域金融の役目ではない。地元を潤させる仕掛けを積極的に行い、最後に地域金融が儲かれば金融として持続できる。
大手スーパーが地元を食い潰して撤退している姿を何度も見ているはずだ。地域愛のない企業の誘致をしても企業益が見込めなければさっさと逃げ出す。
2010年の発刊した山本尚史氏の「エコノミックガーデニング」をもう一度、読み返してみよう。
地場産業が連携して新たな事業創出するヒントとなるはずだ。
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