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武道の「間合い」や「見切り」

ソーシャルディスタンスとかステイホームなどと横文字で促されても何か軽く感じる。
社会的距離と急に言いだしたが、日本には「間合い」とか「見切り」など武道の言葉がある。
日本独自の間合いは、相対して自分が判断して決める。剣道で言えば刀の先が触れ合うかどうかの距離、まさに2mくらいだ。その状態から突くか、かわすかの攻防を考え動く。他の武道もそれぞれの間合いで戦う。
あるいは動作をするのに適当な時機とか、「ころあい」と言う意味でも間合いを取るとして用いられる。一般的に「間を詰める」等がその使用方法だろう。
「見切り」も武道で出てくる用語だ。相手の動きや息づかい、構えを総合的に判断して攻撃に出たり紙一重でかわしたりするわけだ。
諸外国ではなぜ日本の死者が少ないのか?と疑問を呈しており、日本の文化が成せる出来事ではないかとの憶測さえ飛び交う。
私はそうした言葉の強さを信じたい。
日本人は平常時から人との間合いを大切にしていると。
現に京都の鴨川に並ぶカップルは、隣の声が聞こえない見事なくらいの間合いだ。
鴨川カップル
5月14日夕方、東京や大阪とその周辺、北海道を除く39県で緊急事態宣言が解除された。良かった~!と手放しで喜べないのは、「緩み」による再流行で北海道のように第二波も予想されるからだ。これで「2度目の宣言」となれば、経済は完全に破綻の可能性は大だ。
政府に言われなくても「間を取る」ことは日本人のDNAにあった。しかし残念なことに生活が欧米化、画一した教育の上に、周りと同じでないと不安を感じる(これも日本人の体質)などで、間合いの感性が失われつつあるかも知れない。
今はもう一度、利他の精神で「間合い」をとり、相手の距離を「見切る」感性を取り戻さないといけない。

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