2019年の新しい年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。今年も当どうぞご愛読のほどをよろしくお願いします。
昨年を振り返りますと、7月豪雨や9月の台風21号、そして北海道胆振東部地震など大規模な災害が相次ぎ、各地に深刻な影響を及ぼしました。被害に遭われました皆様が普通の生活に早く戻れること祈念しています。
さて平成も今年5月で終わるが、これほど大災害が続いた年号は過去に無かったかもしれない。世界を見ても9.11同時多発テロから、いつどこでどのような事態に陥るかわからない。昨年だけでも政治・経済・季候の異常さは危険な兆候を想起する。
都市と地方、富裕層と貧困など諸処の格差はますます拡大しており、国によるネグレクト(養育放棄)が起きていると言っても良い。
いざなみ景気を越えた、そして2020東京五輪、さらに大阪万博と大イベントに浮かれる一方で、超高齢化を迎える日本はどうなるのだろう。
しかし私たちは、見えるのに見ないでいるわけにはいかない。地方がいつまでも座布団になっていると最後まで搾り取られうまみが無くなれば、地域は畳まれてゴミ箱行きだ。
毎年各地を訪問して感じることは、大変だとの認識はありながら、自分が動かなくとも誰かがやってくれると、自分に目先の不利益さえなければ行動しないことだ。
青森には一日300個の笹餅を売る90歳の女性もいる。もう歳だから若者に任せると隠居生活を満喫していては、地域が消滅してしまうだろう。
現在地域では任せたい若者が不足している。なぜならば自分たちが追い出し、若者が暮らせる環境さえ奪ったからだ。
そして人口増を図っているはずの自治体は、地方創生の言霊と落ちてくる助成金交付金に右往左往するのみで、「人口減少」「少子高齢化」「過疎化」「商店街の衰退」「農林業衰退」「廃校」と六つ子の課題解決どころか、「もはや自治体だけでは対応できる状況ではない」とする行政が20%に及び、もはやお手上げ状態と言ったところだ。
2019年の日本経済は、アメリカン・ファーストを第一義とする米大統領のひどい経済政策や鈍化する中国経済の影響、さらに米中貿易摩擦の外的要因と異次元の金融緩和やアベノミクス・地方創生の副作用という内外両面から逆風を受けるだろう。
地域は必要の無い殻を脱ぎ捨てて、いまそこにある危機に向かわないといけない。
『ダメだ』の一言で思考停止するのではなく、「ちょっと切り口を変えてみる」、既存のものを「ちょっと新しい」ものの考え方をしてみる。ちょっとだけ立ち位置を半歩変える、裏から斜めから考察するだけで、必ず閃きがあるはずだ。地道に無理をせず継続できる工夫や、地元に根ざした新たな生業を作ることが大切だ。
子どもを、孫を地域に取り戻そう!
仕事を取り戻そう!
地域をリブートさせる価値創造のきっかけを作ろう。
今行動に移せば5年後、10年後さらには50年後に必ず効いて来るだろう。