2018年9月28日。国連人権理事会において「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」が採択された(6,7)。残すは10月の国連総会での採択だけになったが、これがヒックリ返ることはあり得ないため、11月の採択はほぼ確実だ。
『小農』とは、自給のためもしくは販売のため、またはその両方のため、1人もしくは他の人々とともに、またはコミュニティとして、小規模農業生産を行っているか、行うことを目指している人で、家族および世帯内の労働力ならびに貨幣で支払いを受けない他の労働力に対して、それだけでにというわけではないが、大幅に依拠し、土地に対して特別な依拠、結びつきを持った人。と定義し、本宣言は、伝統的または小規模な農業、畜産、牧畜、漁業、林業、狩猟、採取、また農業に関わる工芸品づくり、農村地域の関連職業につくあらゆる人物に適用される。
日本はまさに『小農』の国だ!
しかし、なんと日本は米国に追従し宣言に反対。採決では米韓FTAで農業を痛めつけられた韓国と共に棄権した。そうでなくても種子法廃止で農家の権利を剥奪し、国民の「生命」を守る産業の根幹である農林水産業の現場を侵害しているのに・・・
かつて日本では「農は国の大本(おおもと)なり」と言い、あるいは「国のお骨なり」と言った。ゆえに百姓を「おおみたから」と尊んだ。
二宮尊徳も「国の本(もと)民にあり、民の本は食にあり、食の本は農業にあり、これを以て農の道盛なれば、民優(ゆれ)かなり、民優かなれば国家の盛衰何ぞ論ずるを待たん」と論じている。
食糧自給率が40%を切る中で、農林水産業の現場を守らない国に未来はない!