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沢から里に餌場を変えた熊

山間の細長く窪んだところを東日本では「沢」と言い、西日本では「谷」と呼ぶことが多いと武光誠氏は論じている。
川沿いの奥地に登り獲物を取ることを楽しんだ住民は「沢」と呼び、危険で役に立たない土地とみた住民は「谷」と呼んだとのこと。
東西文化の境界にある飯田市などは「〇〇沢」と言う地名が多い。
平地が少ないから険しい奥山まで山菜やキノコを採取に行った。
沢筋は山葵やクレソン、沢ガニほかとにかく食べられるものが豊富だ。
山山葵

沢ガニ
東北ではミズを採取して食べてますね。
もちろん川の中にはイワナやマスもいて本当に沢は資源の宝庫なんです。
しかし沢筋は熊の餌場でもある。
イノシシなどとは沢ガニ取りで先を争う。
幼少の頃から親に連れられて、そうした山によく入ったが、一度も熊と遭遇したことが無い。
人間の気配を察知すると熊は遠慮して出てこなかったのだろう。
今の山はその豊かさを失ってしまったのだろうか?
昔と違い親熊は小熊に教えていないのか?
人間社会では田舎から大都市を目指し、ふるさとの山には入らなくなった。
熊の餌場は十分確保されているはずだが、熊は沢を目指さず里を目指して山から降りてくる。

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