一覧地域再生

311東日本大震災から13年に思うこと

東日本大震災から13年を経過した。
被災地はインフラ整備が進み復興しているように見える。
だが本当に復興したのだろうか?
三陸の美しい海岸線はビルのような高い防潮堤で囲まれた。
ハードによる安心安全な「まちづくり」は進捗している。
だから政府は復興予算を減じて防衛予算に廻すという。
どれほどの壁を作ろうと、被災地の人口減少と高齢化は止まらない。
綺麗な海は見えず、春の山菜時期になっても山に入れないエリアもある。
強固であったはずの地域コミュニティは先に立つ者が高齢化で活動が沈滞している。
福島は今も放射能という化け物に蹂躙され続けている。
心的外傷やトラウマを抱えた人たちも多くいる。
被災者一人一人に寄り添えるには、どうしたら良いか。
奇しくも本年のアカデミー賞にノミネートされた「ゴジラ-1.0」や「オッペンハイマー」は「核」に焦点を当てたものだ。
「ゴジラ-1.0」は核そのもののゴジラに蹂躙される人間を描き、「オッペンハイマー」はその「核」を開発した人間を描く。
ゴールデングローブ賞でノミネートされた「すずめの戸締まり」は高校生のヒロインが、災厄をもたらす扉を閉めていく物語で、東日本大震災が背景にある。
そしてもう一つアカデミー賞に「PERFECT DAYS」(役所広司主演)がノミネートされている。どちらも「おまえはどう生きていくのか!」と問われているように思う。
こんなことを書いていたら宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞長編アニメ部門受賞と「ゴジラ-1.0」の視覚映像部門の受賞速報が届いた。
ゴジラと同じく太平洋戦争末期から終戦直後の時代設定である。
能登の震災被災地の復旧復興は時間がかかるだろう。
地域コミュニティや被災者への人間的な支援はさらに長期にわたるだろうが必要となるだろう。
政権がたびたび使用する「切れ目ない」支援を求めたい。
大震災から13年

Pocket

QRコード