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旅する巨人は言った

民俗学者の宮本常一は1987年に「道に沿うた村々から脱農化が進んでいく。ちょうど鍬で土をはぎ取るような形で。今まで土にへばりついていた人たちをたいした指導も訓練もしないで、ただ金だけを与えて追い立ててゆくというのが普通で、地元民の新しい開発計画への参加というような例はきわめて少ない。ハイウエーの沿線に工場のできていく風景は見かける。それらはたいてい外部資本によるもので、地元資本の参加を思わせるようなものはきわめて少ない。道がつくことによって新しい農業風景なども展開してきてよいと思うのだが、そういうきざしはまだほとんど見えていない。それは政府の責任なのか、地元に住む人たちの責任なのか。多くの人々には工業化していくことが発展として受け取られているが、そのことによる自然の荒廃すらが、発展に見えるのではなかろうか。真の発展というのは単に工業化するだけでなく、同時に自然や風物を美しく豊かにしてゆくことだと思うが、ただ道だけが美しく伸びてゆき、自然は荒廃しはじめている」と言った。
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それから36年経過し、無駄とも思える道路インフラは更に進む。
無駄な施設建設も止まらない。
最近はメガソーラー発電で山や農地が浸食されている。
一度立ち止まって考えてほしい。
人口が減れば当然、車所有者も減る。走る車が減るのに立派な道路が農林地を蹂躙。
経済活動のために、便利な生活のために自然環境を損なって良いのか?
40%を下回る食料自給率がさらに減って良いのか?
自ら我が命を化け物に差し出していないか・・・。
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