一覧連帯の農都共創

共同店の最大の利益はユンタク

共同一致というように、集落の人たちは共同店をとても大切しており、協同店の運営では店番がキーと言う。NHKの朝ドラ「ちむどんどん」で共同店が登場し、店番を仲間由紀恵がやっていた。
店番は単なるレジ打ちでなく様々な役割を持っているが、特に共同店の最大の利益をユンタク(おしゃべり)の時間を増やすことだという。利潤を追及せず共同店を核にしたコミュニケーションを最重要と考えているのである。
ゆえに高齢者と丁々発止で対応することが求められる店番は、会話をリードし盛り上げるスキルが不可欠なのだ。このため売り上げが伸びなくても大切な店番は雇用し続け、人件費で店が赤字になれば区が補てんしているのである。
安田(あだ)協同店では、常に新たな話題を提供し区民が集まる仕掛けも行う。
昨年は安田小学校の藤城公輔教諭が仕掛けた「安田ガチャ」だ。
藤城先生は子どもたちが気がつく場所に、ガチャの機械を置くと興味を抱いた子が騒ぎ出した。そこでガチャを協同店に置くことを提案し、同校の全児童5人でカプセルの中身を考えさせた。
もちろん売店には内緒で事前の許可を得てのコラボ企画だった。
1回100円で子どもたちが作ったものや住民の寄付による物品が景品である。「1日2、3個売れたらいいね」という当初の目標は大きく上回り、設置から4日間で20個が売れた。
ガチャの売上金の使い道の検討も児童が考えた。
「区外からのお客さんの反応が良い。あだガチャが店内のスパイスになっている」と店番の徳田さんも言う。仕掛けた先生も「将来の社会的自立に向けて、いろんな経験を積んでほしい。次の仕掛けもいろいろ考えている」とアイデアを披露してくれた。
協同店は学校とも連携し区の活性化と地元を愛する子どもたちを育んでいる。
安田ガチャ

協同店・ユンタクする店員

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