日本人は無宗教かと外国人は言う。だがこれほど寺社が多い国は無い。しかも氏子でも無いのにお参りし賽銭を投げる、菩提寺で無くてもお布施をする。
正月には他の宗教徒であろうと神社にお参りする。無宗教などとんでもない話だ。
諸外国の神は一神教であることが多いので分かりやすいだろうが、日本人は路傍の石から地主神、だけでなく著名な神様詣でとても忙しいのだ。
ちょっとデータを検索してみた。
神社の多い都道府県の1位は新潟県(4711社)だそうだ。
なぜ新潟県は神社が多いのか?
新潟県は信心深い人が日本一なんだろうと思ったら、理由があった。
明治時代まで東京都の人口が約130万人に対して、新潟県の人口は約160万人だったのだ。
それは新潟県が日本有数の米どころであり農業従事者がたくさんいたことや北前船の寄港地があったことなどの地理的条件がそろっていたためなのだ。
人口が増加すれば集落数も増える。農業が盛んであれば当然、豊作祈願をする集落の氏神が欲しくなり、分祀して貰ったり、勧進してきたことで神社ができたのだろう。
海の交易拠点があれば、他国から様々な人が行き交えば、異国の神様も一緒に付いてくる。
新潟県は五穀豊穣や海路安全を担う神々にとって、住みやすく土着化していったのだ。
他県でも農業が盛んであったり、交易や交流が盛んな地域があったはずだが、なぜ少ないのか?
これは神仏習合や廃仏毀釈、神社合祀など時の政権による宗教いじめにより、減らしていったのだろう。
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これは今後の地方の人口問題で大変重要である。
国は地方の経済政策として、さらに国防として国家予算の多くを一次産業に注ぎ込むことが不可欠であることを示している。
どこか一部に流れたり消えてしまう経済対策でなく、農林漁業と地方交通対策に予算を投入すれば、地方は元気になる。一次産業が儲かれば、人は地方に動き人口問題も緩和する。
再生産可能な農林漁業産業が成立すれば、地方は元気になる。
そして大都市部も元気になるのは明白だ。
国の予算テーブルを「ちゃぶ台返し」してくれる政治家が登場してほしいものだ。