5月23日に「しんきん南信州地域研究所」の主催で、三遠南信地域シンクタンクの連携協定記念シ
ンポジウムを開催しました。
三遠南信地域とは、愛知県東三河地域・静岡県遠州地域・長野県南信州地域の3県の県境地域で、古く
から天竜川と街道を経由した一体の文化・経済圏で、平成5年から三遠南信サミットを毎年持ち回りで開催しながら連携をしています。
人口230万人で、日本をリードする産業や多様な自然環境と特色ある歴史・文化資源を有してお
り、近年、話題の道州制や国土形成計画など国の地域づくり制度の検討がなされていますが、それらの先駆けとして一昨年には、圏域の地域住民・大学・経済
界・行政などで力を結集した「三遠南信地域連携ビジョン」を策定しました。
昨今の市町村合併や地域構造、経済状況の激変は3つのエリアにも大きな影響が出ていますが、これら諸問題を地域の総意でチャンスに変えな
ければいけません。
今回の連携協定は「三遠南信地域連携ビジョン」の政策実現を目指し、プロジェクトの推進を民間サイドでも活動を強化する意味を持っていま
す。
3シンクタンクのパネルディスカッションでは、コーディネーターに金沢市にある「地域振興研究所」の谷本亙常勤理事をお迎えしての課題提
言で「地域の価値を提案していくことが大事。様々なものの接点、人が集まり、人を育てることが重要。産業・観光の支援や創造を行いつつ、ミクロな個別対応
とそれらの一般化・普遍化を常に考え、全体を把握しなければいけない」と強調。
「東三河地域研究センター」の戸田敏行常務理事は「三遠南信の地域経営におけるシンクタンクの役割は大きい。認知差、情報格差をどのよう
に埋めていくかが今後の課題」、
「静岡県西部しんきん経済研究所」の間淵公彦主席研究員は「浜松は日本の大動脈という地の利と大企業のおかげで発展してきたが、これから
は自分たちで主体的に考え行動しなければならない。リニア中央新幹線ができれば地の利は変わる。得意分野を持ち寄りながら学び成長していきたい」
「しんきん南信州地域研究所」の林郁夫主席研究員は「2地域と比べ南信州地域は見劣りがする。外貨を稼ぎ人口を増加させることが必要。情
報を発信し、ビジネスマッチング機能を強化させなければならない。存在感を示すため独自性を発揮させなければいけない。シンクタンクを通じて、3地域の役
割を明確化していきたい」と述べました。
記念講演ではコラムニストの勝谷誠彦氏にお願いしましたが、その模様は次の回で