明けましておめでとうございます。正月をいかがお過ごしでしょうか。
きっと神社の参拝をしている方々もいるでしょう。
神社は全国に10万社と言われていますが、地元の小さな氏神様を加えれば相当な数になるでしょう。でもその神社の神様はどなたでしょうね。
こうした時にちょっと確認してみると良いかな。
そして本殿だけでなく、脇に様々な神様も座しているので、ここもお参りして欲しい。
神社には大概、鳥居とか注連縄があり、それが常識だと思う方がいるかもしれない。
鳥居には伊勢神宮型や出雲大社型、八坂(厳島)神社型、山王権現型など、いろいろ種類がある。全国を歩くと注連縄自体も太い細いだけでなく、中々面白い注連縄に出会うので、旅先では是非、参拝していただきたい。
鳥居の原初は何だろう?そのヒントは佐賀県の吉野ヶ里遺跡にある。
写真を見ると木で作った「鳥」がいる。まさに止まり木であり、どうやらこれが鳥居の原型のようだ。
これは杵頭(しょとう)に木の鳥を付けて斎場に立てた初期農耕社会の祭儀で、鳥杵習俗からきていると考古学者の金関恕(かなせきひろし)の説が有力視されている。
空を飛ぶ鳥は、死者の霊を送るものであり、神霊の来臨の運搬者だと言う。
その鳥杵習俗が、現在も日本に残っている。
厳島神社の「御鳥喰(おとぐい)神事」は弥山で祭神霊烏(ごがらす)にお供えをして、それを食べる(あぐ)ことによって成就する神事である。さらに厳島神社の裏側で、御鳥喰飯を海に浮かべて、弥山の神烏が来るのを待つ粢(しとぎ)と呼ばれる行事もある。
熱田神宮にも同様の「御鳥喰神事」がある。
若狭大島の個々の家が先祖をお奉りする「ニソの杜」カラスグチの伝承が有名で、柳田國男は兵庫県周辺で11月23日を「ニジフソ」と関係していると述べている。
供え物が猿や鳥に食べられてなくなることを「オトが上がる」と言って良いコトとされる。
さてそこで共通する鳥は「カラス」だ。
神話上で読めば「八咫烏」という神鳥がいるではないか。
現在、都市部で増えすぎて困っているカラスだが、神鳥だと思えば、車や頭に糞を落とされたラッキーと感謝しないといけないかもね。