コロナ禍も要因の一つだろうがSDGsの取り組みがメデイアで取り上げられることが多くなった。
米国の10州を襲った超大型トルネードで、死亡者は100人を上回る。バイデン大統領は11日、「今回のことは明らかに地球温暖化と気候変化の結果だ」とし「米国の歴史上、最も大きいトルネードの一つになるかもしれない」と言及している。
7,8月のヨーロッパ南部の熱波や加州や米国南西部の高温、中国の大洪水、南アメリカの亜熱帯地域は2年連続で干ばつに見舞われた。猛暑や大洪水などの異常気象は、もはや新しい平常になったと世界気象機関(WMO)が指摘をした。
シベリアでは今年38℃の高温で、凍土が緩みだした。ここから太古の未知のウイルスが飛び出すかも知れず未来が怖い。
海面の上昇も過去最高を更新したそうだ。2100年には海面上昇が2メートルを超え、世界中で約6億3000万人が移住せざるを得ない可能性があるとしている。世界で土着しているどこかの民が、土地を追われることになるのだ。
日本沈没とどちらが早いか・・・。
日本地没を書いた小松左京は環境問題や世界を知らない日本人の行く末を案じていた。積極的に世界へ出て行った中国人と違い、小さな島国に土着した民は現在も内向きだ。まして、たかだか数世紀の土着しかしていない地方の有力者が選挙まで幅を利かせるのは、持続する社会では不必要であるし、とても未来志向とは言えない。
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新型コロナウイルスと同様に、気候変動は世界規模で国境はない
気候変動という荒ぶる厄病神とコロナと言う疫病神が同時に姿を顕した世界。
対するSDGsは地球を脅かすものと戦うウルトラマンか素戔嗚尊のごとく扱われているようだ。
アフターコロナで各国が提唱する「グリーンリカバリー」(Green recovery)は必殺のスペシウム光線のようなものだ。
国内のエネルギー源を十分に持ちながらバイデン大統領は、4年間で200兆円超の投資をしてグリーンリカバリーをすると表明した。習近平主席は2060年に二酸化炭素排出量を実質ゼロの目標を掲げ、急速に自然・再生エネルギーへの投資を行っている。EUでは住宅等の断熱化、再生エネルギーの活用などグリーンリカバリー政策を打ち出した。その他世界各国でもグリーンリカバリーで顕著な政策を打ち出し、環境を保全しつつ、その分野に新たな産業を興し雇用拡大を図っているのだ。
各国はさておき日本のグリーンリカバリー政策はどうだろうか。小泉進次郎環境大臣のころに「緑の回復」を表明したものの、実現したのは買い物袋の有料化だけで、何とも小手先の政策(こんなものは政策とは言えない)で情けなくなる。
まあ化石賞を何度も受賞する常連国であることを如実に物語っている。
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昔から山の斜面に太陽光パネルが設置されることを憂いていたが、一向にブレーキが掛かる様子がない。今年、長野県の霧ヶ峰高原付近で東京ドーム40個分の山林を伐採して目がソーラー発電所を設置するという計画が、住民の反対運動で撤退することになりホッとした。
森を森として活かせない、木を木(木材)として活かせない国は絶対に衰退する。
ウッドショックという聞き慣れない単語を聞いたのもこの1,2年のことだ。SDGsでも大切なことだが、日本は本気で国産木材を循環させるシステムを作ることが大切だ。
簡単な方法は個人住宅の新築に対して国産材を使用したら助成金を出すと言う川下戦略で良い。メーカーには輸入材でなく国産材加工で税制優遇をする。
水源涵養林を有する自治体には、その森林管理として面積に応じた交付金(一般交付税でなく)を出す川上対策をする。もちろん湧き出す水は水道水だけでなく小水力発電に使えるよう、様々な規制を取り払うなど、ちょっと考えただけでできる政策がたくさんあるではないか。できるかどうか妄想のCO2ゼロ宣言でなく、具体的な環境政策を政府は作っていただきたい。
SDGsの取り組みも個人でできることはたくさんある。特に一次産業の現場はほぼ全ての事柄がSDGsと繋がる。土着する民として、どうか誇りを持ち土に生きて欲しい。