今まで当たり前だと思っていた前提条件は通用しなくなり、ニューノーマルという言葉が飛び交う世の中となってしまった。
会議室に一堂に会する機会は減り、オフィス訪問で移動しなくて良い。
世間の方々はドラえもんの「どこでもドア」を手に入れたかのように毎日Zoomなどで会議や飲み会をしている。
しかしそれは虚の世界であり、相手の息づかいは分からないし唾は飛んでこない(笑)
幸か不幸か仕事の流儀が変わり、高い家賃の事務所は不要とする企業も出てきた。
これは地方にとってはチャンスだ。
ここにきて注目されているのが、「ワーケーション」だ。
ワーケーション(Workation)とは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、リゾート地や地方等の普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得等を行う仕組みだ。コロナ禍でテレワーク業務が十分可能と企業でも理解が進んだ。
これをニューノーマルのワークスタイルとすれば、企業イメージも上がり、良い人材が集められるというメリットもある。
社員も柔軟な働き方を主体的に選択できるならモチベーションが上がるだろうし、4000万人とも言われる内在する「心の病」予備軍の対策になるだろう。
数年前に伺った鹿児島県錦江町では、廃校を活用したサテライトオフィスを開設し、都内のIT関連企業やテレワークに適した業態の企業や学術研究機関の誘致を図っていた。今年はコロナ禍で中止していたが、7月10日から「南国田舎ワーケーション体験」と銘打ち実施する模様だ。
和歌山県田辺市のある「秋津野ガルテン」では、木造2階建てのサテライト型オフィス「秋津野グリーンオフィス」を昨年開設して、ソフトウェアーやシステム開発、グラフィックデザインの制作等を行う企業に提案している。
秋田県五城目町のBABAMEも廃校活用決定時からサテライトオフィスやシェアオフィスを想定していた。
錦江町サテライトオフィス
各オフィスのセキュリティも万全
秋田県五城目町BABAME
BABAME内に入っている企業
こうした廃校活用は全国にあり、詳細はまちむら交流機構の廃校活用ネットの「(仮題)貸オフィス等を行う全国の廃校活用施設マップ」を参考して欲しい。
これは廃校活用の事例だが、地域の空きビルでも商店街でも可能だ。
遊休資産を活かして地域に企業や人を呼び込めば、必ずその地域は元気になる。そして来た人も
コロナストレスだけでなく、仕事や人間関係のストレスも発散し元気になるだろう。そうした企業や人材が定着すれば人口減をストップさせることも可能なのだ。
6月23日、株式会社トラストバンクが、東京都内に住む20代以上の男女1,078名に実施した「地方暮らしに関するアンケート」の結果を発表した。
そのアンケートによれば、都内に住む人の56%が地方の暮らしに「関心あり」と言う。中でもコロナ禍で関心が高まった人が46%、また20~30代の関心が高いと言うことも分かった。
地域では北海道や長野が人気で、「自然が豊か」な地域に移住したいと考えている。
人口減少が著しい地方は、本当に新型コロナウイルスを機に絶好の機会が訪れているわけだ。
地方は自地域を見直し、更に暮らしやすい環境と新たな働き方を突き詰めて、攻めていこう!