一覧地域再生

コトの観光を考える

現在執筆中のネタをちょい見せ

先進国の経済は「量的成長」から「質的成長」へシフトしている。国内ではバブル崩壊後、国民のニーズは単一性から多様性へ、集団から個の重視へと変化しました。

例えば昭和は自動車を所有することが当たり前でしたが、現在はレンタルやシェアへ消費者の志向が変化し、モノや量を求めた国民生活が『質』を求める成熟期に入りました。さらに雑誌やマンガ、ゲーム、音楽などのコンテンツ定額制が、ラーメンからブランドバッグに衣服に自動車など様々な業態に「サブスクリプション」革命なるビジネスモデルが大流行の兆しを見せてきた。このため企業も大量生産の商品から質の向上や物語性のある「コト商品」へシフトしており、もちろん観光分野でも月額4万円から利用可能なサブスクリプション型の多拠点居住シェアリングサービスが顕れました。

旅も従来の観光地巡りと豪華な食事から、地域の豊かな文化や景観、生活風土を守り、生活をしている場が新たな目的地として求められだしています。そして現在、経験したことのない体験や『インスタ映え』など、目に見えない価値を求めるようになってきました。とは言うものの『モノ消費』から『コト消費』への転換と一言で片付けるのは簡単ですが、日本の人口減、そして少子・高齢化がモノ消費を下ブレさせていることを見逃してはなりません。

「モノからコトへ」は、旅行エージェントの合い言葉のようです。和食をはじめ様々な日本文化を体験したい訪日客が増加する中で、大手旅行社は2018年、訪日客に対して「爆買いから体験系」へのツアー造成に大きく舵を切っています。

国内観光はアクティビティやヘルス系、農林漁業体験の他、パケットリスト体験、聖地巡礼などの『テーマ型観光』がトレンドになりつつあるものの、エージェントのツアーでは、地域が有するコンテンツを知らないため画一的になりやすく、宿泊場所や見たい場所、体験したいことを自分で情報を集める個人手配の旅が増加しています。

2012年から始まった中国人観光客の嵐のような爆買いツアーは、あっという間に終息しましたが、訪日客は順調に伸びるとともに、著名観光地だけ見て回るゴールデンルートから、それまで訪日客が見向きもしなかった地方への観光が増加しました。

経験をすることによって得られるコトに価値を感じる『コト消費』は着実に増加しています。旅も地域の特色ある資源を活用し、従来の周遊観光にはなかった、『コト観光』とか『テーマ型観光』として移行しています。インバウンド市場では着物を着るとか抹茶体験などの『コト消費』に価値を感じる消費行動が顕れ、さらに和食を食べたい、農泊をしたいなど着実に「日本の文化を体験したい」という訪日人が増え、旅が変化してきました。とは言うものの代わりに登場したのが、京都などでよく見かける着物を着て神社仏閣を巡るという貧弱でお粗末な体験型観光である。

DSC_2127

DSC_2127

DSC_2104

DSC_2104

Pocket

QRコード